ロンドンに在住している日本人のDiceです。11月の半ばに入り、10℃を下回る日が増えてきました。
このブログでは、ロンドンで賃貸するまでの全体の流れと、内見・契約時に確認すべき事項10選について紹介していきます。ロンドンの賃貸に関する情報を載せたサイトやブログは複数ありますが、日本語でしっかりと全体像が整理されているものがなく、どういった事項を大家やエージェントに確認すべきかも人によってアドバイスが異なるため、当時とても苦労した経験があります。そこで、イギリスの法律で保護されている範囲を意識しながら、このブログで整理していきたいと思います。
ロンドンでの賃貸を検討している方の中には、シェアを検討している人もいるかと思いますが、今回は①プライベート空間を確保できるFlatタイプの賃貸を検討している、②社会人・YMS・学生の方々を対象にしたいと思います。
賃貸までの基本的な流れ
賃貸までの基本的な流れは、①賃貸サイト又はエージェント経由で物件を探して内見の申請、②内見日時の合意と実際の内見、③賃貸借契約の締結です。契約締結前に、他の人に先に賃貸されないように物件を確保するための手付金として、デポジット(敷金)の一部支払いを要求されることもありますが、基本的に①~③までの流れになるかと思います。
①賃貸サイトの選び方
まず、最初のステップである賃貸サイトの選び方について紹介したいと思います。
定職に就いているなら大手サイトの利用
イギリスで賃貸物件の掲載数が多いサイトとして、Rightmove、Zooplaの2つがあげられます。他の賃貸サイトと比較しても、掲載されている物件の数が圧倒的に多く、イギリス人に聞いてもまずはこの2つのサイトの利用を勧められます。ただし、利用者が多いためか、国外から来た学生や定職に就いていない人と知るや返事がこないことが多く、安定収入が見込めないと内見に進めないという壁があります。学生である私は、日本で働いていたので貯蓄があることを添えたりもしましたが、30件以上内見申請しても1つも連絡が返ってきませんでした。振り返ると、とても大きな時間のロスだったように思います。
安心を買うなら日本語対応しているエージェントの利用
ロンドンの賃貸であれば、エイブル、東京プロパティサービス、Kens Estateなど、日本語で連絡できるエージェントがいくつかあります。英語での連絡に不安や抵抗のある方は、こうしたエージェントを利用されてもよいかと思います。また、こうしたエージェントは日本人をターゲットに物件を紹介することに慣れているので、日本人が気にするポイントを満たした物件を紹介してくれる可能性が高い、というメリットがあります。一方で、最低でも月額£1500(約30万円)以上の物件を紹介されることがほとんどであるため、予算上厳しいという率直な感想を抱いている方も多いように思います。
大家と直接交渉できるサイトの利用
仲介手数料を節約したい方や大手サイトでの物件探しに苦戦している方は、大家と直接交渉して賃貸できるOpenRentの利用をオススメします。私も今の物件はOpenRentで賃貸するに至りました。学生や定職に就いていない方でも、学生可/歓迎など制限の緩やかな物件を選択すれば、賃貸の成約に至ることができます。大家にもよりますが、比較的返信率は高く連絡も早めです。一方で、費用対効果の高い物件とそうでない物件の差は激しいため、いくつかの物件を内見して相場観を作ってから賃貸するか吟味した方がよいかと思います。
②内見の際の注意点10選
ロンドンの賃貸の決まるスピードはとても早いため、気になる物件を見つけたらすぐに内見を調整するようにしましょう。内見申請してから翌日に内見することもよくあります。私は当時このスピード感を知らなかったため、良い物件を逃したこともありました。
大家やエージェントと内見の日時を合意したら、実際に内見してみましょう。イギリスでは、原則として国外から入国する者が物件を賃貸しようとする場合、契約締結前に実際に内見する必要があります。そのため、内見を経ることなく、契約の締結や金銭の要求があった場合には警戒が必要です。万が一、物件を直接見ることができない事情がある場合は、大家・エージェントにバーチャル内覧を依頼してください。
また、大学のAccommodation部署とも相談し、イギリスの生活上特に重要なポイントを、内見時のチェックリスト10選として次のとおり整理しました。
- 屋根、ドア、窓枠に不備はないか。窓が二重ガラスになっていると、光熱費を抑え、防音効果もあるため望ましい。
- キッチン、バスルーム、トイレに換気扇や換気口はあるか。
- バスルームは掃除のしやすいフローリングになっているか。
- シャワーは使えるか(実際にテストする)。
- すべての火器やラジエーターは正常に作動するか。
- 最も費用対効果の高いセントラルヒーティングか、効率の悪い電気ストーブか。
- 最新のガス安全証明書/電気安全適合証明書があるか。
- 少なくとも1つの煙探知機が設置されているか。
- 固定式燃焼器具(ガスボイラーや火など)のあるすべての部屋に一酸化炭素警報器が設置されているか。
- ゴミ捨て場の場所・ルールの確認
他にも個々人によって気になるポイントがあると思いますので、すべてを大家やエージェントに確認してから手続きを進めるべきかと思います。
③契約の際の注意点10選
内見が終わり、実際に賃貸したい物件が決まったら、いよいよ契約の締結です。賃貸借契約書に不利な事項が盛り込まれていないかしっかりとチェックする必要があります。必ず契約書の内容を熟読しましょう。
賃貸借契約の締結にあたり、特に気を付けるべき事項10選を次のとおり整理しました。
- 基本情報を確認(家主/所有者の連絡先、家賃、契約期間、家賃の支払頻度、デポジット(敷金)の金額)
- 法律上、賃借人は「不動産所有者の名前と住所」を知る権利を持っています。物件の所有者と賃貸借契約の賃貸人が一致しているかは、最寄りの土地登記所のオンライン検索で確認できますので、不安のある方はご利用ください(利用料は£3(約600円))。契約後賃貸で何か問題が起こる度に、大家に連絡をとる必要があります。
- 家賃には、Utility(光熱費)、Water Bill(水道代)、Wifi(通信費)、Council Tax(住民税)が含まれているか否かを確認。使用方法や年収にもよりますが、概ね月額Utility+Water Billは£250(約5万円)、Wifiは£30(約6000円)、Council Taxも£110(約22,000円)ほどかかると思います。なお、フルタイムの学生はCouncil Taxの支払いは免除されます。
- 契約期間は、法律上最低でも6か月以上とすることが定められています。最低賃貸期間経過後、賃貸人又は賃借人から通知により解除することのできる条項があるかどうかは確認しましょう。
- 家賃の支払頻度は、月払いが一般的だと思いますが、週払いの場合もあります。また、日本の家賃の支払日は25日や27日など月末固定となっているケースが多いですが、ロンドンでは契約締結の日付けがその後の家賃支払い日になります。
- 学生の場合、ロンドンに在住する誰かを保証人として立てるか、3~6か月の家賃前払いを要求されるのが一般的です。半年を超えた家賃前払いを請求する業者もいますが、半年を超えた請求は一般的ではないので拒否しましょう。
- デポジット(敷金)は、法律により5週間分の家賃相当額を超えてはならないと定められています。5週間を超えるデポジットを請求された場合、支払義務がない旨を伝えましょう。
- デポジット(敷金)は、預託管理されるなど、法律上独立してプールされる必要があります。契約後、デポジットが独立して管理されていることを確認しましょう。
- 各種支払いは必ず領収書を発行してもらうか、銀行送金により記録を残す形にしましょう。支払い記録が残っていないと、後の争いごとになるおそれがあります。
- 契約書は必ず書面化し、署名された契約書のコピーを要求しましょう。賃借人を守る情報は、契約書に記載されています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
Flatを借りたい学生だった私は、当時上記の情報を十分に把握できておらず、賃貸物件探しに大分寄り道と苦労をしました。この情報を知っていれば、もう少し効率的に物件探しができたように思います。このブログを読んでくださっている方々に、少しでもこの情報が役に立ったと感じていただけることを願います。
また、ロンドンでの暮らしやヨーロッパの旅をYouTubeでもお届けしています。ブログでは伝えきれない、動画を通じたリアルな体験や美しい風景、実際の雰囲気を感じていただけると思いますので、是非チャンネルにも遊びにきてください!
YouTube: https://www.youtube.com/@mriiy15
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