ロンドンに在住している日本人のDiceです。ここ数日の暴風雨で折りたたみ傘の無力さを痛感しています。
このブログでは、世界の時間の基準である「本初子午線」が通る街、グリニッジ(Greenwich)を紹介していきます。グリニッジは、1997年に天文台、グリニッジパーク、旧王立海軍大学と、街全体が世界遺産に登録されている観光名所です。グリニッジに本初子午線が通ったことで、明石市に日本標準時の基準となる東経135度子午線が通ることとなったので、日本と縁深いものがあります。
今回は、ロンドンにある世界遺産を観光したい方、本初子午線の通るグリニッジについて詳しく知りたい方に向けて、在住者がオススメする街の見どころを紹介していきたいと思います。また、グリニッジの雰囲気をYoutubeでも配信していますので、是非ご覧ください!
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グリニッジ天文台の歴史
グリニッジ天文台は、ロンドンの中心部から30分ほどにあるグリニッジ地区に位置し、1675年にチャールズ2世の命令によって設立された、天文学や測地学上重要な天文台です。当時、海洋航海では正確な時計がないために経度を測定することが非常に困難で、多くの船が迷ったり、座礁する原因となっていました。そのため、国防や貿易上の観点から、正確に経度を測定する技術の向上を図ることを目的として建設されました。18世紀に、イギリスの時計職人ジョン・ハリソン(John Harrison)がクロノメーター(精密時計)を開発したことで、航海中でも正確な経度を測定することが可能となります。
なぜ、正確な時計が必要なのでしょうか?地球は24時間で1回転するので、1時間で経度15度進みます。経度0度(本初子午線)で正午だった時、経度15度東では太陽が1時間早く昇りますし、経度15度西なら1時間遅くなります。この法則を利用して、船の上で太陽が最も高い位置に来た瞬間を観測し(現在位置の正午)、クロノメーターに表示されているグリニッジの時刻が何時かを確認し、その時間差を計測することで、現在位置がグリニッジからどのくらい離れた場所(経度)かを算出します。ゆえに、グリニッジの時刻を正確に把握することが必要だったのです。クロノメーターの発明により、船は正確な現在位置を把握することができるようになり、安全に航海する技術が大きく進歩することになります。
19世紀後半には、天文台は世界中で用いられる時間の基準である「グリニッジ標準時(Greenwich Mean Time)」を提供するようになりました。そして1884年、ワシントンD.C.で開かれた国際子午線会議において、グリニッジ子午線が本初子午線(経度0度)として正式に採択され、世界の時間が始まる場所として認められることになります。
グリニッジの観光スポット
それでは、グリニッジのオススメ観光スポットを紹介していきたいと思います。グリニッジ内にはいくつかの駅がありますが、今回はDLR線のGreenwich駅を出発地とします。また、グリニッジの雰囲気をYoutubeでも配信していますので、是非ご覧ください!
グリニッジパーク
Greenwich駅から徒歩10分ほど、グリニッジパークの入り口が見えてきます。グリニッジパークは世界遺産に登録されているとても大きな公園で、春には桜、秋には紅葉が楽しめるスポットです。
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グリニッジ天文台
グリニッジ・パークの坂道を上っていくと、グリニッジ天文台が見えてきます。
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施設内を見学するには有料チケットを購入する必要があります。現在は、大人は1人£20(約4000円)、学生は14£(約2800円)となっています。本初子午線は施設内にあります。ちなみに、この本初子午線、GPSなど現在の技術が向上した結果、現在は東に100mほどズレています。
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施設内には、時代ごとの時計や、天体望遠鏡など天文学で利用する機器が展示されています。時計好きや天体観測好きにはたまらない空間だと思います。下記望遠鏡を覗くと、土星を見ることができました!
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国立海事博物館(National Maritime Museum)
グリニッジ天文台の丘から下っていくと、国立海事博物館に到着します。船の模型や航海で使用する器具を展示していて、無料で観覧できるので時間のある方は是非立ち寄ってみてください。
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旧王立海軍大学(the Old Royal Naval College)
国立海事博物館から徒歩すぐで、旧王立海軍大学に到着します。写真はグリニッジ天文台の丘から撮影したものです。こちらも世界遺産として登録されており、映画のロケ地としてもよく利用されています。バロック建築が採用されているとても素敵な空間なので、是非大学構内にも入ってみてください。
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グリニッジマーケット
旧王立海軍大学から徒歩5分ほど、雑貨や絵画が購入できるグリニッジマーケットがあります。冬にはクリスマスマーケットとして開いているので、是非立ち寄ってみてください。
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カティーサーク(Cutty Sark)
グリニッジマーケットから徒歩5分ほど、テムズ川近くにビクトリア朝時代にアジアからイギリスへ紅茶を輸入した快速帆船カティーサークが見えてきます。現存する唯一のティークリッパーで、有料で船内を観覧することができます。
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おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、ロンドンにある世界遺産を観光したい方、本初子午線の通るグリニッジについて詳しく知りたい方に向けて、在住者がオススメするグリニッジの街の見どころを紹介していきました。街全体が世界遺産に登録されている観光名所なので、ロンドン観光で外せないスポットの一つだと思います。
また、ロンドンでの暮らしやヨーロッパの旅をYouTubeでもお届けしています。ブログでは伝えきれない、動画を通じたリアルな体験や美しい風景、実際の雰囲気を感じていただけると思いますので、是非チャンネルにも遊びにきてください!
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